「復興五輪」が旗印のオリンピックだが、岩手・宮城・福島の被災3県の復興は、どうなっているのだろうか?
岩手県大船渡市出身の技術士・金野正晴さんは、津波で母親を含む親族6人を失った。被災地復興の過程で、沿岸部には巨大な防潮堤が築かれつつある。しかし、津波で被災した人たちは高台移転するなど、ほとんど元の場所にはいない。三陸沿岸一帯に築かれ、海を見えなくするコンクリートの壁は、ゼネコンの懐を潤してはいるが、本当に被災者のためのものなのか? また、開発業者が持ち込んだ計画に基づく高台移転は、土地の価格が高く、元々住んでいた家を売っても高台に移れない住民が続出した。「復興を契機に、東北は収奪されている」と金野さんは言う。
宮城県では、村井嘉浩知事の「創造的復興」スローガンのもと、500億円の復興予算を使って、地元の東北大学を中核にした「東北メディカル・メガバンク」が設立された。東北の人たちの遺伝子情報をデータベース化し、特定の病気の発生率などを調べる研究だ。しかし、その一方で沿岸部の医療過疎は、今なお深刻だ。25年前の阪神・淡路大震災でも、神戸市が「創造的復興」と称して大規模再開発や医療の産業化を進めたが、東日本大震災でも復興予算が被災者に直接使われる割合は少なく、「人の復興」にはなかなか役立っていない。
福島県では、津波や原発事故の被災地に人が戻らず、生業も失われたままだ。そして、オリンピック招致の際の「フクシマはコントロールされている」という首相の発言により、被災者の人権は全く無視されてしまった。元南相馬市長の桜井勝延さんは、「復興五輪こそが復興を妨げている」と憤る。東京五輪開催が決まった後、土木工事の単価が上がり、入札不調が増えた。「原発もオリンピックも、東京が福島を利用して儲ける構図は変わらない」と見抜いている。番組では、「復興五輪」という祝祭にからめとられ、覆い隠される東北の被災地の実態を、詳しく伝える。
ナレーション:大西みのり
岩手県大船渡市出身の技術士・金野正晴さんは、津波で母親を含む親族6人を失った。被災地復興の過程で、沿岸部には巨大な防潮堤が築かれつつある。しかし、津波で被災した人たちは高台移転するなど、ほとんど元の場所にはいない。三陸沿岸一帯に築かれ、海を見えなくするコンクリートの壁は、ゼネコンの懐を潤してはいるが、本当に被災者のためのものなのか? また、開発業者が持ち込んだ計画に基づく高台移転は、土地の価格が高く、元々住んでいた家を売っても高台に移れない住民が続出した。「復興を契機に、東北は収奪されている」と金野さんは言う。
宮城県では、村井嘉浩知事の「創造的復興」スローガンのもと、500億円の復興予算を使って、地元の東北大学を中核にした「東北メディカル・メガバンク」が設立された。東北の人たちの遺伝子情報をデータベース化し、特定の病気の発生率などを調べる研究だ。しかし、その一方で沿岸部の医療過疎は、今なお深刻だ。25年前の阪神・淡路大震災でも、神戸市が「創造的復興」と称して大規模再開発や医療の産業化を進めたが、東日本大震災でも復興予算が被災者に直接使われる割合は少なく、「人の復興」にはなかなか役立っていない。
福島県では、津波や原発事故の被災地に人が戻らず、生業も失われたままだ。そして、オリンピック招致の際の「フクシマはコントロールされている」という首相の発言により、被災者の人権は全く無視されてしまった。元南相馬市長の桜井勝延さんは、「復興五輪こそが復興を妨げている」と憤る。東京五輪開催が決まった後、土木工事の単価が上がり、入札不調が増えた。「原発もオリンピックも、東京が福島を利用して儲ける構図は変わらない」と見抜いている。番組では、「復興五輪」という祝祭にからめとられ、覆い隠される東北の被災地の実態を、詳しく伝える。
ナレーション:大西みのり
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