子どもへの性被害は心身に深い傷を残し、その後の人生に大きな影響を与える。あまりにも残虐で目を背けたくなるが、社会の無理解も被害者を苦しめる。被害と加害、二つの現実を伝えることで小児性犯罪への対策と予防につながると考え、取材を進めた。
大阪府吹田市の柳谷和美さん(55)は5歳の時、隣の家に住む友達の父親から「お医者さんごっこしよう」と服を脱がされ、性被害を受けた。自分が受けた行為の意味を理解したのは中学生のとき。「自分の体は汚い」と自暴自棄になり、自傷行為がやめられなくなった。
転機は2009年。性暴力被害者の講演会に参加し、大勢の人の前で当事者が話す姿に衝撃を受けた。
「子どものときの性被害がその後の人生に大きく影響することを知ってほしい」。
自身の性被害を講演で語り始めた柳谷さん。今は、心理カウンセラーの資格を取り、性被害当事者として心に傷を負った人々に寄り添う活動を続けている。
一方、子どもへの性暴力を繰り返す者はどのような人物なのか。問題行動の背景には、13歳以下の子どもを性の対象とする精神疾患「ペドフィリア」があると言われる。
東京都に住む加藤孝氏(60)は、これまで10人以上の子どもに対し性加害を行った過去を持つ。現在は治療に取り組み、23年間、加害行為をせずに過ごすことができている。
“加害しない自分”をどのように保ち続けているのか。加藤氏は週に1度精神科に通院しながら、回復を目指す自助グループにも参加している。仲間との対話を通じて再犯に駆り立てる要素を洗い出し、子どものいる場所に近づかないなど、欲求の刺激になるような行動を避けながら生活を続けている。
加藤氏は「治療によって加害への衝動は抑えられる」と話すが、日本では多くの加害者が治療に結びつかない問題が浮かび上がった。
後を絶たない子どもへの性犯罪。再犯率も非常に高いと言われている。13歳未満の子どもへの性犯罪の認知件数は2022年1年間で約1000件。報道されると、「死刑にしろ」「刑務所から出すな」と激しい怒りの言葉が飛び交うこともある。しかし、現在の日本では加害者の大部分は社会に戻ってきている。
被害者と加害者の両方に目を向け、子どもへの性暴力をなくすために私たちの社会に何が求められているのかを考えたい。
ナレーション:小松由佳
大阪府吹田市の柳谷和美さん(55)は5歳の時、隣の家に住む友達の父親から「お医者さんごっこしよう」と服を脱がされ、性被害を受けた。自分が受けた行為の意味を理解したのは中学生のとき。「自分の体は汚い」と自暴自棄になり、自傷行為がやめられなくなった。
転機は2009年。性暴力被害者の講演会に参加し、大勢の人の前で当事者が話す姿に衝撃を受けた。
「子どものときの性被害がその後の人生に大きく影響することを知ってほしい」。
自身の性被害を講演で語り始めた柳谷さん。今は、心理カウンセラーの資格を取り、性被害当事者として心に傷を負った人々に寄り添う活動を続けている。
一方、子どもへの性暴力を繰り返す者はどのような人物なのか。問題行動の背景には、13歳以下の子どもを性の対象とする精神疾患「ペドフィリア」があると言われる。
東京都に住む加藤孝氏(60)は、これまで10人以上の子どもに対し性加害を行った過去を持つ。現在は治療に取り組み、23年間、加害行為をせずに過ごすことができている。
“加害しない自分”をどのように保ち続けているのか。加藤氏は週に1度精神科に通院しながら、回復を目指す自助グループにも参加している。仲間との対話を通じて再犯に駆り立てる要素を洗い出し、子どものいる場所に近づかないなど、欲求の刺激になるような行動を避けながら生活を続けている。
加藤氏は「治療によって加害への衝動は抑えられる」と話すが、日本では多くの加害者が治療に結びつかない問題が浮かび上がった。
後を絶たない子どもへの性犯罪。再犯率も非常に高いと言われている。13歳未満の子どもへの性犯罪の認知件数は2022年1年間で約1000件。報道されると、「死刑にしろ」「刑務所から出すな」と激しい怒りの言葉が飛び交うこともある。しかし、現在の日本では加害者の大部分は社会に戻ってきている。
被害者と加害者の両方に目を向け、子どもへの性暴力をなくすために私たちの社会に何が求められているのかを考えたい。
ナレーション:小松由佳
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